Citations:銀貨
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Japanese citations of 銀貨
- 1883, 福沢諭吉, 学問の独立:
- けだし国の政事は、前にもいえる如く、今日の人事にあたりて臨機応変の処分あるべきものにして、たとえば饑饉には救恤の備えをなし、外患には兵馬を用意し、紙幣下落すれば金銀貨を求め、貿易の盛衰をみては関税を上下する等、俗言これを評すれば掛引の忙わしきものなるがゆえに、もしも国の学校を行政の部内に入るるときは、その学風もまた、おのずからこの掛引のために左右せらるるなきを期すべからず。
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- 1890, 森鴎外, 舞姫:
- 我が隠しには二三「マルク」の銀貨あれど、それにて足るべくもあらねば、余は時計をはづして机の上に置きぬ。
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- 1893, 若松賤子, 黄金機会:
- それから私は先刻読んだことから、母に聞いたことを細かに話し始め升て、丁度おしまひにしようといふ時、下女がはいつて来て、もみくちやになつた紙の上に二十銭の銀貨と一銭銅貨を載せて、「御隠居さま、靴やにお払いを遣り升て、これがおうつりで御座い升」といひ升た。
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- 1898, 徳冨蘆花, 小説 不如帰:
- 例の上層が干菓子で、下が銀貨だから、たまらないさ。
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- 1900, 押川春浪, 海島冐險奇譚 海底軍艦:
- 此打合せが終ると、大佐の命令で、輕氣球は海岸の砂上に引出され、水素瓦斯は充分に滿たされ、數日分の食料と、飮料水と、藥品の買入れや、船舶の雇入れの爲めに費す可き、巨額の金銀貨の積込みも終ると、私と武村兵曹とは身輕に旅裝を整へて搖籃の中へと乘込んだ。
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- 1901, 黒岩涙香, 幽霊塔:
- 金銀、珠玉、ハテな何の様な金銀だろう、何の様な珠玉だろう、慾のない身も胴震いのする様な気持と為った、先ず第二号を開いたが、蓋も中蓋も前の通りで、唯中の実物だけ違って居る中には竪に九個の区画をして有って、其の一画毎に何々時代の金貨などと貼り紙が附き、昔の通貨が全く満々て居る、其の区画の六個は金貨で、残る三個が銀貨である、余は余りの事で手を触れると神聖を汚す様に思い、唯小声で「アアわかりました」と云った切り蓋を閉じた、猶心は鎮まらぬけれど、何となく長居するのが恐ろしく成って直ぐに次の「第三号」を開いた、之には区画もない唯幾個となく袋が入って居る。
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- 1906, 泉鏡花, 式部小路:
- そうしてちっとばかり聞かしておくれ、こんな風で済まないけれどもッて、銀貨のお代を頂きました時は、私は掌へ、お星様が降ったのかと思いました。
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- 1907, 国木田独歩, 窮死:
- 」と親方は言いながら、財布から五十銭銀貨を三四枚取り出して「これで今夜は酒でも飲んで通夜をするのだ、あすは早くからおれも来て始末をしてやる。
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- 1908, 長塚節, 芋掘り:
- 太一は五六日前に隣の五右衞門風呂で病氣が起つて踏板を踏み外して足のうらへ五十錢銀貨位の火膨れが出來たとかで變な歩きやうをしながら今日も落花と毛蟲の糞との散らばつた庭に立つて栗毛蟲を叩いて居る。
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- 1909, 石川啄木, 葉書:
- 一円紙幣が二枚と五十銭銀貨一枚と、外に少し許り細かいのがあつた。
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- 1910, 夏目漱石, 門:
- 若い下女が細君の前に坐って、釣銭らしい札と銀貨を畳に並べていた。
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- 1911, 高浜虚子, 子規居士と余:
- 其村君はいつでも袂の底に銅銭や銀貨を少しばかり――ただし自分の所有全部――入れていたが、それをつかみ出してその時の支払をもしたことを覚えて居る。
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- 1912, 井上円了, 南半球五万哩:
- 黒奴船外に蟻付し、乗客に向かい、銀貨を海中に投ぜんことを請う。
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- 1913, 田村俊子, 木乃伊の口紅:
- 毎日出てゆく義男の蟇口の中に、小さい銀貨が二つ三つより以上にはいつてゐた事もなかつた。
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- 1914, 上司小剣, 鱧の皮:
- 勘定の危まれた二階の客の、銀貨銅貨取り混ぜた払ひを検めて、それから新らしい客の通した麦酒と鮒の鉄砲和とを受けてから、一寸の閑を見出したお文は、後を向いてかう言つた。
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- 1916, 豊島与志雄, 少年の死:
- 金さんの妹は庄吉を物影に呼んだ、そして五十銭銀貨を一枚くれた。
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- 1917, 有島武郎, カインの末裔:
- 川森は財布から五十銭銀貨を出してそれを妻の手に渡した。
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- 1918, 宮地嘉六, 煤煙の臭ひ:
- 」と客は二人の者を見くらべながら、もういつの間にか、そうつと銀貨を握らせてゐた。
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- 1919, 中戸川吉二, イボタの虫:
- 私はもう矢も楯も堪らないやうな気がして来て、急いで車掌に十銭銀貨を握らせたまま電車を下りた。
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- 1921, 小川未明, 北の国のはなし:
- よく見ると、それは、みんな星ではなく、金貨に、銀貨に、宝石や、宝物の中に自分はすわっているのである。
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- 1923, 若山牧水, みなかみ紀行:
- 更に財布から幾粒かの銅貨銀貨をつまみ出して握らせながら、も一つ遠くの店まで走つて貰つた。
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- 1924, 岡本綺堂, 探偵夜話:
- 町の人達もみな彼の顔を知っているので、彼の突きならべた銀貨や銅貨の数から算当して、それに相当の品物を渡してよこすのを例としていた。
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- 1925, 北原白秋, フレップ・トリップ:
- わるいので、そこで誰かの帽子を裏向けにすると、みんなが銀貨のなにがしかを投げ入れた。
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- 1926, 葉山嘉樹, 海に生くる人々:
- 彼はポケットから、五十銭銀貨を二枚つかみ出して、それが確かに二枚であることを知って、それを、小倉に渡した。
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- 1927, 宮沢賢治, ポラーノの広場:
- それでも向うがさきに済んだら、こっちもすぐ立とうと思ってそっと財布をさぐって、大きな銀貨を一枚もって握っていました。
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- 1928, 岸田國士, ある村の素人劇団:
- 「……月の光にすかし見れば、銀貨だと思つたのはビールの栓であつたあ……」といふやうな歌につれて、書生は、いまいましさうに、そいつを投げ棄てる。
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- 1929, 小林多喜二, 蟹工船:
- 小さい箱の上に、皺くちゃになった札や銀貨を並べて、二人でそれを数えていた。
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- 1930, 甲賀三郎, 贋紙幣事件:
- 造幣局と云うのは、金貨や銀貨や銅貨を造る所だそうだ。
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- 1931, 坂口安吾, 海の霧:
- 様様な苦心をして、チャラチャラと衣嚢に弄ふ数個の銀貨を、例外なしにみんなコニャックに代へてしまふ。
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- 1932, 魯迅, 明日:
- そこで身を起して銭箱の中から毎日節約して貯め込んだ十三枚の小銀貨と百八十の銅貨をさらけ出し、皆ひっくるめて衣套の中に押込み、戸締をして寶兒を抱えて何家の方へと一散に走った。
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- 1933, 岡本かの子, 汗:
- ローマを取巻く丘のやうに程のよい高さで盛り上る肉付きのまん中に一円銀貨の片面が少し曇つて濡れてゐた。
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- 1934, 菊池寛, 貞操問答:
- 「チェッ!」笑いをふくんだ舌打ちをして、ねめすえて、五十銭銀貨を二つ出してやると、美和子は現金によろこんで、階下へ降りて行った。
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- 1935, 徳田秋声, チビの魂:
- 何うかすると出先きで、酔つぱらひのお客に揶揄はれたり、銀貨をもらつたりするのも、忘られない楽しみであつた。
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- 1936, 三好十郎, 彦六大いに笑ふ:
- その後もあの近くを通る毎に、あの女給に十銭銀貨を渡しに寄らうと思はぬ時は無かつたのである。
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- 1937, 倉田百三, 光り合ういのち:
- この祖母は私が二十四の時まで生きていたが、中学の時になっても、休暇が終って行く時になると、自分の箪笥から銀貨を二、三枚紙に包んで握らせた。
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- 1938, 島崎藤村, 新生:
- 外国の旅に慣れた番町は町へ出て、岸本のために旅費の一部を仏蘭西の紙幣や銀貨に両替して来るほどの面倒を見てくれた。
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- 1939, 野上豊一郎, 吹雪のユンクフラウ:
- 弥生子の借りて行った傘を返し、銀貨をつかませて親爺と別れ、ジュネーヴ行の列車に乗り換えた。
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- 1940, 田中英光, オリンポスの果実:
- 午前中の甲板には、銭拾いの土人達が多勢、集まって来ていて、それが頂辺のデッキから、真ッ逆様に、蒼い海へ、水煙りをあげて、次から次へ、飛びこむと、こちらで抛った幾つもの銀貨が海の中を水平に、ゆらゆら光りながら、落ちて行く。
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- 1941, 正岡容, 圓太郎馬車:
- 圓太郎はがま口の中から昨日の二十銭銀貨を四枚取り出した。
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- 1942, 宮本百合子, 時代と人々:
- 現実の不条理からひきはなして、たとえばフランスのように小さい銀貨の上へ、友愛だの信義だの自由だのという文字を鋳りつけることは、云って見れば何とたやすいことだろう。
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- 1945, 太宰治, 惜別:
- その先輩の言うには、日本へ行って最も困るのは足袋だ、日本の足袋は、てんで穿けやしないから、支那の足袋を思い切ってたくさん持って行くがいい、それから紙幣は不自由な時があるから、全部、日本の現銀に換えて持って行った方がいい、まあ、そんなものだ、ということだったので、自分は早速、支那の足袋を十足買って、それから所持金を全部、日本の一円銀貨に換え、ひどく重くなった財布を気にしながら、上海で船に乗って横浜に向った。
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- 1948, 海野十三, 海底都市:
- 女史は蟇口の中から金貨を一枚つまみあげ、戸棚のところへ持っていって引出をあけて、何かがちゃがちゃやっていたが、やがて何枚かの銀貨を持って戻って来た。
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- 1952, 相馬愛蔵, 私の小売商道:
- あとで気がついて見ると銀貨は六円になっていた。
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- 1953, 片山廣子, 東北の家:
- 本や雑誌は残りすくなくなつてゐたが、洋品雑貨、石けんでも香水でもおしろいでも、スートケース、銀貨入、かうもり、日傘、何もかも外国のにほひのする物ばかり、いくさの国が一息に粉砕してしまひさうな物ばかりで、それを見るほどに、手に持つて見るほどに、だんだんかなしくなつて来た。
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- 1954, 服部之総, 明治の五十銭銀貨:
- この夏配達された、さる新聞の家庭用付録に「オカネの値打ち」という記事にあわせて、明治から昭和にいたる五十銭銀貨の実物大の図譜が載っていた。
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