Citations:突入
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Japanese citations of 突入
- 1876, 福沢諭吉, 学者安心論:
- 余輩、つねに民権を主張し、人民の国政にかかわるべき議論を悦ばざるに非ずといえども、その趣意はただちに政府の内に突入して官員の事務を妨ぐるか、または官員に代りて事をなさんとするの義に非ず。
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- 1892, 北村透谷, 各人心宮内の秘宮:
- 心に宮あり、宮の奥に他の秘宮あり、その第一の宮には人の来り観る事を許せども、その秘宮には各人之に鑰して容易に人を近かしめず、その第一の宮に於て人は其処世の道を講じ、其希望、其生命の表白をなせど、第二の秘宮は常に沈冥にして無言、蓋世の大詩人をも之に突入するを得せしめず。
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- 1906, 国木田独歩, 運命論者:
- 』と僕はいきなり母の居間に突入しました。
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- 1909, 内田魯庵, 二葉亭四迷の一生:
- 更に進んで故人の肉を描き血を流動せしめて全人格を躍動せしめようとするには勢い内面生活の細事にまでも深く突入しなければならないから、生前の知友としてはかえって能くしがたい私情がある。
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- 1912, 井上円了, 南半球五万哩:
- かかる日本人の一人もおらざる天涯万里の異域に単身突入して、成功の彼岸を見るに至るまでの苦心は思い知るべし。
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- 1919, 和辻哲郎, 古寺巡礼:
- これは烈しい情熱をもって宗教的生活の内に突入しようとするものにとって、きわめて自然なことである。
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- 1923, 横光利一, 日輪:
- 彼は終日武器庫の前の広場で、馬を走らせながら剣を振り、敵陣めがけて突入する有様を真似ていた。
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- 1928, 小林多喜二, 一九二八年三月十五日:
- ――と、その時、入口からもう七八人の巡査がどや/\ツと突入してきた。
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- 1929, 平林初之輔, 昭和四年の文壇の概観:
- もっと自由な空気を流入させ、もっと大胆に奔放に社会と人生との根本的なものへ突入してゆかねば、氏の小説は、ついに書斎の中でこしらえた小説におわるであろう。
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- 1930, 牧野信一, R漁場と都の酒場で:
- ――「違ふ、――私は人間としての最も不幸なる四つの偶像観念から開放されて、冷い研究所の扉を排して突入するための亢奮で、立つて、希望に充ちたオーミング・アップを試みてゐるところなんだよ。
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- 1931, 海野十三, 省線電車の射撃手:
- 言葉の終るか、終らないうちに、電車は悲鳴に似たような非常警笛をならして、目黒駅の構内に突入して行った。
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- 1932, 魯迅, 村芝居:
- すると舳に突当る水の音が一際あざやかに、船はさながら一つの大白魚が一群の子供を背負うて浪の中に突入するように見えた。
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- 1936, 岡本かの子, 渾沌未分:
- 生ぬるい水中へぎゅーんと五体がただ一つの勢力となって突入し、全皮膚の全感覚が、重くて自由で、柔軟で、緻密な液体に愛撫され始めると何もかも忘れ去って、小初は「海豚の歓び」を歓び始める。
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- 1937, 岸田國士, 北支物情:
- が、いよいよ、北京の城門が見え、列車が駅の構内へ突入すると、私は、一種名状しがたい錯覚に陥つた。
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- 1940, 田中英光, オリンポスの果実:
- 決勝線突入後、他の三国選手が、余裕を示して、ボオトをランデングに附け、掛声勇ましく、頭上高く差し上げたに引き替え、日本選手は決勝線に入ると同時に、精力全く尽き、クルウ全員ぐッたりとオォルの上に突っ俯し、森整調以下、殆ど失神の状態となり、矢野清舵手は、両手に海水をすくって戦友の背中に浴せ、比較的元気な松山五番もこれに手伝い、坂本四番の介抱に努めるなど、その光景は惨憺たるものがあった。
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- 1942, 石原莞爾, 最終戦争論・戦争史大観:
- 更に、第一次欧州大戦までは世界が数十の政治的単位に分かれていたのがその後、急速に国家連合の時代に突入して、今日では四つの政治的単位になろうとする傾向が顕著であり、見方によっては、世界は既に自由主義と枢軸の二大陣営に対立しようとしている。
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- 1944, 太宰治, 津軽:
- 一間ばかりの木の枝を持ち、黙つて走つて行つて、ざんぶと渓流に突入し、ずぶりとやつた。
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- 1947, 三好十郎, 猿の図:
- と同時にそれは、この数年来、われわれが突入しきたったわが国未曽有の国難に処して国民の一人一人としての私どもが、身をもって洗いあげて来た民族的自覚の絶決算としての実感であったのであります。
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- 1950, 阿部次郎, 三太郎の日記 第二:
- フランシスのやうに全人格を凝集して「神」の深みに突入し得た人が他に幾人ある事であらう。
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- 1951, 中井正一, 過剰の意識:
- 朝の満員の省線電車の中にラグビーのごとく突入して、ひしめくおたがいの中にわきいでる無意味な憎しみ、肌と肌をこんなに密着しながら、顔と顔を、こんなに寄せあいながら、おたがいに理由なく、水のようにみなぎっている憎悪の中に沈みゆられているのである。
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- 1953, 坂口安吾, 梟雄:
- そこで鉄砲は最初の一発しか使用できないということは当時の常識であり、武将たちは敵の二発目を許さずに突入する歩兵の速度を鉄砲対策の新戦術として研究した。
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