Citations:空席

From Wiktionary, the free dictionary
Jump to navigation Jump to search

Japanese citations of 空席

  • 1908, 石川啄木, 菊池君:
    と、菊池君は吃る様に答へて、変な笑ひを浮べ乍ら、ヂロ/\一座を見廻したが、私とは斜に一番遠い、末座の空席に悠然と胡坐をかく。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1912, 井上円了, 南半球五万哩:
    さらにほかの新教の寺に詣するに、これまた堂内三分の二の空席を余す。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1914, 水野仙子, 散歩:
    久しく家に燻ぶつてゐたので、訳もなく向く人達の眼にも一寸面伏せなやうな気がして、妻は夫の指してくれた空席に急いで腰を下した。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1917, 葛西善蔵, 贋物:
    そして耕吉の窓の下をも一二度、口鬚の巡査は剣と靴音とあわてた叫声を揚げながら、例の風呂敷包を肩にした、どう見ても年齢にしては発育不良のずんぐりの小僧とともに、空席を捜し迷うて駈け歩いていた。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1919, 芥川龍之介, 路上:
    それでも彼が入口に立って、逡巡の視線を漂わせていると、気の利いた給仕が一人、すぐに手近の卓子に空席があるのを教えてくれた。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1920, 長谷川時雨, マダム貞奴:
    卓にお膳立が出来ていて、空席になっているところがわたしのために設けられた場所であった。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1922, 横光利一, 榛名:
    顏は青ざめ、ひよろけながら空席を見つけると、どつと横に倒れた。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1924, 南部修太郎, 女盗:
    そして、これも探るやうな視線でぐるつと中を見廻すと、三人の紳士の隣側の空席に無遠慮に腰を降した。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1925, 新渡戸稲造, 国際聯盟とは如何なものか:
    最初の二、三分間は議場も緊張して聞いていたが、間もなくがやがやと騒がしくなり、これを英語と仏語とに翻訳する時は議場は空席のみとなり、折角の大演説も各国人に徹底するを得ずしてかえって大に損したことがある。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1926, 牧野信一, 冬の風鈴:
    広い食堂だが殆ど此処も空席がない位ひに混んでゐた。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1927, 三木清, 唯物史観と現代の意識:
    そのとき二三の空席が車中に見出されるならば、私はそのいづれであるかを構はず私に與へられた席に腰を卸すであらう。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1928, 林芙美子, 新版 放浪記:
    汽車が高崎に着くと、私の周囲の空席に、旅まわりの芸人風な男女が四人で席を取った。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1930, 岡本綺堂, 深見夫人の死:
    言ううちに、列車はもうFの駅に着いたので、男は又くり返して詫びながら早々に降りてゆくと、それと入れちがいに、この車内へ乗込んで来たのは学生らしい若い男と娘の二人連れで、わたしの向うの空席に腰をおろした。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1931, 海野十三, 省線電車の射撃手:
    弾丸が向いの窓を通ったと思わせるために、被害者の前面には必ず空席をちょっと明けて置きました。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1932, 魯迅, 村芝居:
    わたしどもは木戸口を入ると、赤いものだの、青いものだの、幾つも眼の前にキラめいて、舞台の下にたくさんの頭を見たが、よく気をつけて見なおすと、まん中にまだ幾つかの空席があったから、そこへ行って坐ろうとした時、わたしに向って、何か言った者があった。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1934, 上村松園, 旧い記憶を辿つて:
    その時恰度私の方の側が陽が照つて来ましたので、「こちらへおかけやす」と、その時、春挙さんの隣りに空席が出来たので、おとなりにかけましたところが、恰度ラヂオで放送された直後の事でしたので、その話をしてゐられました。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1935, 寺田寅彦, 箱根熱海バス紀行:
    小田原ではバスが待っていたが、箱根町行は満員なので空席のあった小涌谷行に乗込んだ。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1937, 太宰治, 思案の敗北:
    君が死ねば、君の空席が、いつまでも私の傍に在るだろう。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1942, 坂口安吾, 青春論:
    又、席があいたが同じことで少年は満員の人ごみにもまれながら、自分の前の空席に目をくれようともしなかったのである。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1947, 宮本百合子, 道標:
    ――もっとも、そんな空席のあることはまれだったけれども。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1948, 久米正雄, 受驗生の手記:
    私たちは背後の方の空席を選んで、腰を下ろした。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1949, 神西清, 夜の鳥:
    ふと目についた戦蹟巡覧のバスに、空席があるといふので、ふらりとそれに乗りこんだ。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1950, 豊島与志雄, 女心の強ければ:
    私は、自分にあてられたその空席に、背を向けました。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1951, 岸田國士, あるニュウ・フェイスへの手紙:
    戯曲は俳優によって肉体化される目的で書かれた文学ですから、戯曲のなかには、俳優のための空席がちゃんと残してあります。
    (please add an English translation of this quotation)
  • 1953, 佐藤垢石, 美音会:
    大隅が語り出すと私らの右の方の空席へ二人連れの女が入った。
    (please add an English translation of this quotation)