Citations:営む
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Japanese citations of 営む
- 1870, 福沢諭吉, 中津留別の書:
- 子の年齢二十一、二歳にも及ぶときは、これを成人の齢と名づけ、おのおの一人の了管できるものなれば、父母はこれを棄てて顧みず、独立の活計を営ましめ、その好む所に行き、その欲する事をなさしめて可なり。
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- 1887, 井上円了, 妖怪玄談:
- その力の欠けたる部分は、全く休止して作用を営まざるか、またはたといこれを営むも反射自動作用にとどまり、識覚有意作用を現ぜざるなり。
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- 1897, 清水紫琴, 心の鬼:
- 五百機立てて綾錦、織りてはおろす西陣の糸屋町といふに、親の代より仲買商手広く営みて、富有の名|遠近にかくれなき近江屋といふがあり。
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- 1899, 泉鏡花, 黒百合:
- 月の色はやや青く、蜘蛛はその囲を営むのに忙しい。
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- 1905, 石川啄木, 閑天地:
- 詩人ウオルズウオルスも、亦ライダルの賤が家に愛妹ドロセヤと共に見るかげもなき生活を営みて、然も安らかに己が天職に奮進したりき。
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- 1909, 内田魯庵, 二葉亭四迷の一生:
- 遺骨が新橋に帰着したは五月三十日で、越えて三日葬儀は染井墓地の信照庵に営まれた。
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- 1912, 関寛, 関牧塲創業記事:
- 然るに近隣及び知人は集りて五郎を助け、東京へも電信を発し、マスキはキク、ヒデを同行にて来り、厚く葬儀を営み、且つ遺言により骨は最も能く拾いて集め箱に入れ置きたるを、予は其後に自ら負うて牧塲に帰りて保存せり。
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- 1914, 津田左右吉, 偶言:
- しかし頽廃的空気の裡に力のない生活を営んでいた平安朝の大宮人の趣味は濃艶ではあるが活気もなく底力もなく、徒らに塗抹せられた強烈の色彩から感覚的刺戟を受けるのを喜んでいたに過ぎなかったというのか。
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- 1916, 森鴎外, 伊沢蘭軒:
- 書牘は、殆ど作物語の瑣細な人物の落著をも忘れぬ如くに、此庄兵衛の家を成し業を営むに至つたさまをも記してゐる。
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- 1919, 宮地嘉六, ある職工の手記:
- その頃私の家は佐賀ステーション前に宿屋を営んでゐたのである。
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- 1922, 内藤鳴雪, 鳴雪自叙伝:
- これと平均額の家禄とで辛うじて一家の生計は営んでいたのである。
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- 1924, 折口信夫, 信太妻の話:
- 柳田国男先生の考へられた「禿」とも「毛房主」とも言ふ、得度せぬ半僧生活を営んだ者も、元は寺奴から出たのである。
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- 1925, 尾崎放哉, 入庵雑記:
- 私の多年の希望であつた処の独居生活、そして比較的無言の生活を、いと安らかな心持で営ませていたゞいて居るのであります。
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- 1926, 平林初之輔, 探偵小説壇の諸傾向:
- 人間をも含む動物の器官が、適当なコンディションさえ与えれば、身体じゅうの本来の位置から取りはずしても、機能を営みつづけてゆくということは、他の書物でも読んだことがある。
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- 1929, 北原白秋, 海豹と雲:
- 営みそめぬ。
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- 1931, 中山太郎, 本朝変態葬礼史:
- それが農耕期に入り住所が固定し、邑落として社会的生活を営むようになって来ると、宗教意識も発達し祖先崇拝の道徳も称導され、さらに肉体は腐朽するも霊魂は存在すると云う、即ち霊肉を二元的に観るようになって、ここに始めて屍体を保存する必要が起り、従ってこれに伴う種々なる葬法が発明されるに至ったのである。
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- 1932, 佐々木味津三, 流行暗殺節:
- ――その昔、周防の片田舎で医業を営み、一向に門前の繁昌しなかった田舎医者は、維新の風雲に乗じて、めきめきと頭角を現わし、このとき事実上の軍権をにぎっている兵部大輔だった。
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- 1933, 戸坂潤, 社会時評:
- 処が之では折角の満州帝国が朝鮮並みに取り扱われることになりそうで、満州国独立の承認を世界に向って強要している手前、一寸具合が悪いではないか、と気のつく者もいたらしく、陸軍省ではこれの代案として、軍司令官と駐満大使との二位制にし、大使を特別に外務大臣から独立させて総理大臣直接の監督下に移し、内閣に対満事務局と云ったものを置き、大使をして外交と行政とを営ませようというのである。
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- 1935, 徳田秋声, 仮装人物:
- ずっと後になって、秋本はそのうち郷里の財産を整理すると、子供の分だけを適度に残して、そっくりそれを東京へ持って来て、郊外に土地を買い、農園の経営を仕事とすると同時にそこに葉子と楽しい愛の巣を営もうというので、そうなると葉子にもすっかり文壇との交遊を絶ってもらいたいというのが、かねての彼の申出でらしかったが、葉子は文壇に乗り出す手段としてこそ、そうしたペトロンも必要だったが、そこまで附いて行けるかどうかは彼女自身にも解っていなかった。
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- 1937, 西田幾多郎, 善の研究:
- 人間が共同生活を営む処には必ず各人の意識を統一する社会的意識なる者がある。
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- 1942, 石原莞爾, 最終戦争論・戦争史大観:
- あの狭い土地に多数の強力な民族が密集して多くの国家を営んでいる。
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- 1943, 正岡容, 随筆 寄席風俗:
- 一月十六日の祥月命日をお彼岸の今日に延ばして、私は師、吉井勇先生の代参に今年で七年、月詣りをしているところから馬楽はその五代目の名跡を襲っているところから、ともにこの法会を営んだのだった。
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- 1945, 豊島与志雄, 秦の出発:
- 生理的な営みが瞬時に停止して而もなお生きているとするならば、恐らくこういう顔になるだろう。
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- 1946, 神西清, 灰色の眼の女:
- 久しい前から横浜に住みついてゐたのだが、かなり手広く貿易を営んでゐた夫に死別した上に、政変さわぎで本国の財産を失くし、アメリカに留学させてあつた一人息子ともどうした訳か永らく音信不通で、たうとうあの年をしてタイプライターのキイを叩くことになつたのだといふ。
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- 1948, 原民喜, 戦争について:
- 人類は戦争と戦争の谷間にみじめな生を営むのであらうか。
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- 1949, 田中英光, さようなら:
- 井上は、後家になった母が、藤沢の町に小さい雑貨屋を営んでいたひとり息子で、内気な平凡な性質。
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- 1951, 中井正一, 脱出と回帰:
- ここで大切なのは、それが、獲物を獲て、飢をしのぐという宇宙への直接の対決ではなくて、その「秩序らしきものへの対決」、いわば、宇宙の中に、人間が、秩序を探り求めて、人間の手で創る試みが営まれているのである。
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- 1959, 北大路魯山人, 小生のあけくれ:
- 山というほどの山ではないが、山中での朝夕|起臥三十余年、ほとんど社交のない生活を営みながら、小生は時に快速船のように、何事をも進ませずにはいられないクセを持っている。
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- 1960, 原田義人, 年譜:
- 父ヘルマン・カフカはシュトラコニッツ在の小村に生まれ、奮闘してプラークで手広く小間物卸商を営むにいたった人物。
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