Citations:啜る
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Japanese citations of 啜る
- 1899, 清水紫琴, もつれ糸:
- 「一昨年の夏さ」といつて、女は面をそむけて、啜り上げた。
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- 1906, 石川啄木, 雲は天才である:
- 女教師の啜り上げるのが聞えた。
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- 1906, 鈴木三重吉, 千鳥:
- 「よその伯父さんだよ」と涙を啜る。
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- 1909, 長塚節, 開業醫:
- 褞袍に著換へて火鉢の前に坐つて少し冷めた茶を啜る。
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- 1911, 柴田流星, 残されたる江戸:
- 啜りこむ腹に冷たきが通りゆくを覚ゆるばかり、口熱のねばりもサラリと拭い去られて、心地限りなく清々しい。
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- 1913, 北原白秋, 桐の花とカステラ:
- その寂しい湿潤が私のこころの小さい古宝玉の緑であり、一絃琴の瀟洒な啜り泣である。
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- 1917, 横光利一, 犯罪:
- 私は終ひには何もかも悉皆忘れて了つて、背負つてゐる弟の由を径傍へ下して寝転び乍ら椿の花を裂いては中の蜜を啜り始めた。
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- 1917, 豊島与志雄, 田原氏の犯罪:
- 私もね、つい鼻を啜るんですがね。
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- 1918, 芥川龍之介, あの頃の自分の事:
- 我々四人は、又久米の手製の珈琲を啜りながら、煙草の煙の濛々とたなびく中で、盛にいろんな問題をしやべり合つた。
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- 1918, 近松秋江, 箱根の山々:
- 池尻か、臺の茶屋に熄ひながら初秋の冷涼そのものゝ如き梨の汁を啜りつゝ、すぐ眉の上に聳つ鷹巣山と峯つゞきなる宮の下の淺間山と二の平と強羅の傾斜との彼方に早川の溪が抉つたやうに深く掘れてゐる。
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- 1919, 水野仙子, 醉ひたる商人:
- 鼻を啜る音が障子のかげから聞えた。
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- 1919, 宮本百合子, C先生への手紙:
- 薔薇液を身に浴び、華奢な寛衣をまとい、寝起きの珈琲を啜りながら、跪拝するバガボンドに流眄をする女は、決して、その情調を一個の芸術家として味って居るのではございません。
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- 1919, 琵琶湖めぐり, 湖光島影:
- すると、老僧はその茶碗を手にとつて底に一滴も殘さぬやうに仰向いて茶碗を啜り、空になつた茶碗を靜と茶托の上に伏せて置かれた。
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- 1920, 岡本綺堂, 小坂部姫:
- 「血を啜って誓うが我々の教えじゃ。
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- 1922, 芥川龍之介, トロツコ:
- が、良平は手足をもがきながら、啜り上げ啜り上げ泣き続けた。
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- 1922, 内藤鳴雪, 鳴雪自叙伝:
- それは賄を呼起して残飯を大鍋へ叩き込んで、それへ葱大根などを切交えて、それを啜り合うのである。
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- 1923, 有島武郎, 骨:
- 廊下一つ隔てた向ひの部屋に、これもくすぶり込んでゐるらしい一人の客が、十二時近くなると毎晩下から沢庵漬を取りよせて酒を飲むのだつたが、いかにも歯切れのよささうなばり/\といふ音と、生ぬるいらしい酒をずるつと啜り込む音とが堪らなく気持がよかつたのだ。
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- 1924, 宮本百合子, 伸子:
- ――伸子は、高く酒を啜る音を聞いた。
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- 1924, 宮本百合子, 古き小画:
- 彼は、フーマンに盃をすすめ、自分も一啜りしながら云い始めた。
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- 1924, 南部修太郎, ハルピンの一夜:
- 「あの女がね……」と、グラスを一啜りして、水島君は云つた。
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- 1925, 宮本百合子, 祖母のために:
- 腸の方は、少しずつよい方に向い、祖母は甘酒を頻りに啜った。
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- 1925, 小酒井不木, 呪われの家:
- ここで警部は一と息ついて傍の茶を啜り、更に言葉を続けた。
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- 1925, 宇治の茶箱, 釘抜藤吉捕物覚書:
- ま、ちょっくら上って一杯|出花を啜っていらっしゃい。
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- 1925, 国枝史郎, 神州纐纈城:
- 肉を食い血を啜っても、飽き足りないところの仇敵であった。
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- 1926, 国枝史郎, 銀三十枚:
- 食堂で珈琲を啜るのだろう。
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- 1927, 若山牧水, 木枯紀行:
- 或る所では長沢から仕入れて来た四合壜を取り出し、路傍に洋傘をたてかけ、その蔭に坐つて啜り合つた。
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- 1927, 里村欣三, 放浪の宿:
- 酒場と云ってもそれは、馬糞よりも下等な馭者や、もっとそれよりもひどい下層労働者達が、未製のカルバスや生胡瓜を噛って、安酒を呷ったり、牛の臓腑を煮出したスープを啜って飲み食いする劣等な飲食店であった。
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- 1927, 甲賀三郎, 支倉事件:
- 車座となって番茶の出がらしを啜りながら、石子の御馳走の餠菓子を撮んで雑談に耽っているうちに彼等はだん/\打解けて来た。
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- 1931, 宮本百合子, ズラかった信吉:
- それをおっかぶせて、娘がまた啜りあげるような早口でまくしたてる。
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- 1931, 林芙美子, 風琴と魚の町:
- その広場を囲んで、露店のうどん屋が鳥のように並んで、仲士達が立ったまま、つるつるとうどんを啜っていた。
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- 1931, 林芙美子, 清貧の書:
- 日暦を一枚一枚ひっぺがしては、朝の素晴しく威勢のいい石油コンロの唸りを聞いて、熱い茶を啜る事が、とても爽やかな私の日課となった。
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- 1932, 蘭郁二郎, 孤独:
- 何故ならば洋次郎は、その片隅のボックスでコーヒーを啜りながら、色々と他愛もない幻想に耽けることが、その気分が、たまらなく好ましかったからであった。
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- 1933, 坂口安吾, 麓:
- 自分の啜る茶の音のみ激しく耳につくのであつた。
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- 1933, 宮本百合子, 刻々:
- 冷たい茶を啜り、自分はなお弁当をたべつづけた。
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- 1934, 小栗虫太郎, 夢殿殺人事件:
- つまり、あの曼陀羅と云うのは数千本の茎を嵌め込みにした結び目なしのものなんだから、その最後の一寸にまでも、繍仏の指頭から推摩居士の血液を啜り込む事が出来たのだよ。
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- 1934, 豊田三郎, リラの手紙:
- お茶を啜りながら、遂々自分では書かなかった三ツ木は各同人の作品を痛罵し出したので、久能は自分の作品も一たまりもなくやられるのが判っているので、逃げ仕度をしていると、三ツ木は急に声をひそめ、久能に近寄って、久能君、非道く評判ですよ、君は誰に清書させたんですか、久能の奴こんな女文字の原稿を送ってくるなんて不届な奴だといって憤慨していた男もあったぜ、といい出したので久能は急に返事が出来ず、青江が黒い鞭になって、彼の面をずたずたにひったたくのを感じながら、赤くなって、僕が病気でいる中に、青江が、僕の許しも受けず清書したのだと弁解しても、三ツ木は愈々平たい頤を久能の眼前一ぱいに拡げて、嫉ましそうな眼をつりあげてしばたたき、もう君はあの娘を認識しているんですね、と止めを刺したようにいって笑い出した。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1934, 宮本百合子, 聟:
- 詮吉は、外套の裾を畳にひろげて中腰のまま、うまそうに熱い番茶を啜った。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1935, 太宰治, ダス・ゲマイネ:
- 私の戀の相手といふのは逢ふのに少しばかり金のかかるたちの女であつたから、私は金のないときには、その甘酒屋の縁臺に腰をおろし、一杯の甘酒をゆるゆると啜り乍らその菊といふ女の子を私の戀の相手の代理として眺めて我慢してゐたものであつた。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1935, 小栗虫太郎, オフェリヤ殺し:
- 法水は冷然と云い放って、湯気のなくなった紅茶を、一気に啜り込んだ。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1935, 夢野久作, 近世快人伝:
- 十個ばかり啜る中に、二人とも硫黄臭いゲップを出すようになると、卵売りは大いに儲けるつもりで、道傍の枯松葉を集めて焼卵を作り、二人にすすめたので又食慾を新にした二人は、したたかに喰べた。
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- 1936, 海野十三, 人造人間事件:
- さっき喫茶店リラで、紅茶を啜りながら聴くともなしに聴いたラジオドラマは、将来戦を演出しているものだった。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1936, 上巻, 二都物語:
- 男たちの中には、跪いて、両手を合せて掬って、その葡萄酒が指の間からすっかりこぼれてしまわないうちに、自分で啜ったり、自分の肩の上に身を屈めている女たちにも啜らせてやろうとしたりする者もあった。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1936, 上巻, 二都物語:
- 男たちの中には、跪いて、両手を合せて掬って、その葡萄酒が指の間からすっかりこぼれてしまわないうちに、自分で啜ったり、自分の肩の上に身を屈めている女たちにも啜らせてやろうとしたりする者もあった。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1936, 岡本かの子, 決闘場:
- 二人の交互に鼻血を啜る音を聞いた。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1937, 三好十郎, おスミの持参金:
- わきに立つたお若も啜りあげてゐる、信太郎も涙を浮べて笑つてゐる。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1938, 織田作之助, ひとりすまう:
- その手を握って海水を啜った。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1939, 宮本百合子, その年:
- お茂登は、西側の窓へ背中をもたせかけ、出された茶を啜りながら、何か張りつめた心持で、脚をのばす気にもならなかった。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1939, 萩原朔太郎, 宿命:
- 洋服を着て疊に坐り、アパートに住んで味噌汁を啜る僕等の姿は、明治初年の畫家が描いた文明開化の圖と同じく、後世の人人に永くエキゾチツクの奇觀をあたへ、清趣深く珍重されるにちがひないのだ。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1939, 岡本かの子, 家霊:
- 老人は遂に懐からタオルのハンケチを取出して鼻を啜った。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1940, 金史良, 天馬:
- 自分もあの瓢のようなぐりぐり坊主になって袈裟を身にまとい、鼻汁をよく啜り上げる正覚禿坊主の前で、毎日毎晩|数珠を首にかけて神妙に禅をくまねばならぬとは。
- (please add an English translation of this quotation)
- 1941, 矢田津世子, 茶粥の記:
- などと番茶を啜ってみせる老人もいる。
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- 1941, 野上豊一郎, シェイクスピアの郷里:
- 私たちはトーストに半熟の卵を添えさせ、香気の高い紅茶を啜りながら、簡素なテューダー王朝時代の田舎家の室をいかにも居心地よく感じて、こんな所でしばらく好きな本でも読んで暮したいとか、物が書きたいとか話し合った。
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- 1941, 織田作之助, 雪の夜:
- やがて珈琲が運ばれて来たが、坂田は二口か三口啜っただけで、あとは見向きもしなかった。
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- 1943, 正岡容, 小説 圓朝:
- でも次郎吉を除く皆はフーフー吹きながら、幾杯もお代りをしては啜り込んでいた。
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- 1947, 宮本百合子, 一刻:
- 半分啜り上げるような早口で歎く娘は、空のリュックを吊って前へうしろへ揺られているのであった。
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- 1949, 原民喜, 魔のひととき:
- お茶を啜る。
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- 1951, 宮本百合子, 三郎爺:
- ときどき思い出したように洟を啜り上げながら、当もなくさまよっていた彼の眼は、やがてフトかなたの鐘楼の中に、大きな体をのっしりと下っている、鐘の上に吸いつけられた。
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- 1951, 宮本百合子, お久美さんと其の周囲:
- 荒れた畑地を耕して麦粥を啜って居た今までに比べれば重三は今の境遇に充分満足して居た。
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- 1952, 高田保, 貸家を探す話:
- しづかに珈琲を啜る。
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- 1953, 佐藤垢石, たぬき汁:
- 先年、虎の門で啜ったたぬき汁と違う。
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- 1953, 佐藤垢石, すっぽん:
- その夜、この大すっぽんを私の家へ持ってきて、すっぽん汁をこしらえ、これを炉の自在鍵に吊るした大鍋から、十数人の村人が五郎八茶碗に掬って、おいしそうに啜った。
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- 1956, 永井荷風, 荷風戰後日歴 第一:
- 午近く米飯の代りに片栗粉の汁粉啜りて飢を凌がむと、それを賣る家まで至り見しに、二月中當分休の札を出したり。
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