Citations:休暇
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Japanese citations of 休暇
- 1887, 二葉亭四迷, 浮雲:
- 唯今年の冬期休暇にお勢が帰宅した時而已、十日ばかりも朝夕顔を見合わしていたなれど、小供の時とは違い、年頃が年頃だけに文三もよろずに遠慮勝でよそよそしく待遇して、更に打解けて物など言ッた事なし。
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- 1889, 井上円了, 欧米各国 政教日記:
- 第三の原因は、人毎日曜に寺に詣して毎回同じようなる説教を聴き、一週一日の貴重の休暇を犠牲にするは、あるいは野外に歩を散じ、あるいは友人と懐を語り、随意放任の楽にしかざることを知るこれなり。
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- 1891, 今村明恒, 地震の話:
- この地震の時は、丁度夏季休暇中であつたため、一人の生徒もゐなかつたのであるが、假に授業中であつたとして、もしそれに善處せんとするならば、「机の下へしやがめ」の號令一下で十分であつたらう。
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- 1906, 石川啄木, 葬列:
- 其処の村校の尋常科を最優等で卒業した十歳の春、感心にも唯一人笈をこの不来方城下に負ひ来つて、爾後八星霜といふもの、夏休暇毎の帰省を除いては、全く此土地で育つた。
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- 1907, 白柳秀湖, 駅夫日記:
- 休暇の日の夕方、私は寂しさに堪えかねてそぞろに長峰の下宿を出たが足はいつの間にか権之助坂を下りていた。
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- 1909, 若山牧水, 古い村:
- 丁度その年のこと、夏になつて自分は休暇で村に歸省した。
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- 1910, 夏目漱石, 門:
- 彼はこの暑い休暇中にも卒業後の自分に対する謀を忽がせにはしなかった。
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- 1911, 森鴎外, 雁:
- 競漕前に選手仲間と向島に泊り込んでいるとか、暑中休暇に故郷に帰るとかの外は、壁隣の部屋に主人のいる時刻と、留守になっている時刻とが狂わない。
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- 1913, 徳田秋声, 爛:
- 盆過ぎに会社から休暇を貰った良人と一緒に、静子をつれて、一ト月たらずも、そっちこっち旅をして帰って来たお増は、顔や手首が日に焦けて、肉も緊って来たようだったが、健康は優れた方ではなかった。
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- 1914, 與謝野寛、與謝野晶子, 巴里より:
- 急いで旅館へ帰ると、二人の英国婦人に二人の加奈陀青年、二人の子供を伴れた一人の英国婦人、其れに主婦と、ヴウヴレエ市の学校で独逸語の教師をして居て春の休暇で帰つて来た一人息子とが既に食卓に就いて居た。
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- 1917, 高浜虚子, 漱石氏と私:
- この冬休暇に帰って猟をして居るうち今日山鳥が一羽とれましたから御礼の印に御送り致します。
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- 1919, 芥川龍之介, 疑惑:
- ちょうど暑中休暇になった当座で、ある夕方私が散歩かたがた、本願寺別院の裏手にある本屋の店先を覗いて見ますと、その頃評判の高かった風俗画報と申す雑誌が五六冊、夜窓鬼談や月耕漫画などと一しょに、石版刷の表紙を並べて居りました。
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- 1920, 菊池寛, 真珠夫人:
- それかと云つて、結婚のため、半月以上も、勤先を欠勤してゐる彼には休暇を貰ふ口実などは、何も残つてゐなかつた。
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- 1921, 寺田寅彦, ねずみと猫:
- まもなく休暇になるともう少しの暇もなくなった。
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- 1922, 内藤鳴雪, 鳴雪自叙伝:
- 暑中休暇の如きも、他の人は休んでも私のみは一日も休まずに勉強した事もあった。
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- 1923, 喜田貞吉, 春雪の出羽路の三日:
- 昨年十一月に始めて出羽の踏査に着手したその続きを、この春の休暇中にやってみたいと思っている折から、山形県史蹟名勝天然記念物調査委員会の開会式が行われるので、やって来ぬかと理事官の有吉君から言って来られた。
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- 1924, 岡本綺堂, 秋の修善寺:
- 九月の末におくれ馳せの暑中休暇を得て、伊豆の修善寺温泉に浴し、養気館の新井方にとどまる。
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- 1925, 牧野信一, 貧しき日録:
- また彼は、中学に入ると暑中休暇日誌なるものを課せられて、毎夏辟易した。
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- 1926, 葉山嘉樹, 海に生くる人々:
- そして「特に今日は休暇を与える」といったことを伝えた。
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- 1927, 宮沢賢治, ポラーノの広場:
- あのイーハトーヴォの岩礁の多い奇麗な海岸へ行って今ごろありもしない卵をさがせというのはこれは慰労休暇のつもりなのだ。
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- 1928, 桑原隲藏, 支那の孝道殊に法律上より觀たる支那の孝道:
- また我が『養老律』の獄令によつて推知さるる如く、徒・流の犯人で服役中の者でも、死刑の犯人で在獄中の者でも、その父母の訃音に接すると、相當期間の休暇を與へて、哀を擧げ孝を盡さしめる。
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- 1929, 石原莞爾, 戦争史大観:
- 協和会の公式声明を知らなかった私はその後の満州国、北支の状況上、東亜連盟を公然強調する勇気を失っていたが、昭和十三年夏病気のため辞表を提出した際、上官から辞表は大臣に取次ぐから休暇をとって帰国するよう命ぜられたので軽率な私は予備役編入と信じ、九月一日大洗海岸で暴風雨を聴きながら「昭和維新方略」なる短文を草し、満州建国以来同志の主張に基づき東亜連盟の結成を昭和維新の中核問題としたのである。
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- 1930, 小川未明, 児童の解放擁護:
- また暑中休暇の期間だけ、閑静な処にて自然に親しませることは、虚弱な児童等にとって必要なことである。
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- 1931, 宮本百合子, ソヴェト労働者の夏休み:
- ところで、ソヴェトの労働者は、年一ヵ月の有給休暇を貰う。
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- 1932, 田畑修一郎, 鳥羽家の子供:
- それは午過ぎの頃で、母屋には休暇で中学の寄宿舎から帰つてゐた長男の竜一や昌平、それに民子も丁度来合はせてゐたのであるが、誰一人気がつかなかつたのである。
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- 1933, 夢野久作, 木魂:
- ……彼奴の数学は、生徒職員の数と、夏冬の休暇に支給される鉄道割引券の請求歩合と、自分の月給の勘定ぐらいにしか役に立たないのだ。
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- 1934, 矢田津世子, 旅役者の妻より:
- 余りの事に良人も心細くなりましたものとみえ、しきりに岡村へ皈りたがり、おれも、もう五年も皈らぬし、伊助も休暇で皈る頃故あれの顔もみたいから一度戻ってみようではないか、達者になったら今度は岡村の近く、呉近所で働こう、何よりも生れた土地の近くが一等だ、など言いまして涙ぐむ仕末に、わたくしも心動かされ、旅費には困るけれど幸い大阪直行の汽船が三津につきます故、荷物を売り払ってでも皈ろうと存じ、岡村のあに様へ加様の次第故加様に思うていると言ってたよりを出しましたところ、あに様よりの返事には今、落ちぶれた姿で皈られては世間への手前もあり考えものである。
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- 1935, 太宰治, 道化の華:
- 小菅がこの休暇中、ふるさとのまちから三里ほど離れた山のなかの或る名高い温泉場へスキイをしに行き、そこの宿屋に一泊した。
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- 1936, 海野十三, 空襲警報:
- やっとお昼から二十四時間の休暇が出たんだよ。
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- 1937, 三澤勝衛, 自力更生より自然力更生へ:
- 飛行機が空を飛んだというので「空中征服」、汽船が海を渡ったというので「海洋征服」、夏の休暇にちょっとそこいらの高い山へ登って来たからといって「山岳征服」、それも命からがら登ったり飛んだりしておりながら、そういった言葉が、しかもきわめて無造作に用いられるのが昨今の世相の特徴とさえ申したいほどであります。
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- 1938, 島崎藤村, 新生:
- 「暑中休暇が来て見ると、彼方へ飛び是方へ飛びしていた小鳥が木の枝へ戻って来た様に、学窓で暮した月日のことが捨吉の胸に集って来た。
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- 1939, 岸田國士, 泉:
- 聖路加病院で盲腸の手術を受けた安藤弥生は、暮がおしつまつてやつと退院を許され、あたふたと正月を迎へたのだけれども、彼女はかねて計画をしてゐた全快祝ひを夫正樹の休暇中にやつてしまひたいと思つた。
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- 1940, 三好十郎, 浮標:
- 診療所が忙しくつて、みんなのキマリの休暇が今迄遅れてゐたのが、やつと土曜から三四日取れたから見舞ひかたがた行きたいと言ふんだよ。
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- 1941, 金史良, 故郷を想う:
- 高校から大学へと続く学生生活の時分は、休暇の始まる最初の日の中に大抵蒼惶として帰って行った。
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- 1942, 三木清, わが青春:
- 想い起すと、その夏、休暇を利用して東京へ出た私は、相良徳三と一緒に中野に小さな家を借りて自炊生活をした。
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- 1944, 辻村もと子, 早春箋:
- お兄さまも、もう冬の休暇でお帰りなされてゞございませう。
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- 1946, 佐藤垢石, 瀞:
- 実は、伜の暑中休暇を利用して、彼に熊野川の大きな鮎を釣らせたいと思ったからである。
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- 1947, 原民喜, 氷花:
- 休暇になつて、電車に乗る用がなくなると、漸く彼ものびのびした気持だつた。
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- 1948, 永井隆, ロザリオの鎖:
- 父の手紙には休暇だと本人は言っているが、あまり長すぎるのでおたずねすると書いてあった。
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- 1949, 神西清, 夜の鳥:
- そこで僕は休暇をとつて大連へ行つた。
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- 1950, 久坂葉子, 灰色の記憶:
- とにかく、長い休暇があって――それが休暇か、病気欠席か、はっきりしないが――ひょっくり学校に顔を出した時、まっ先に目についたのがアリーであった。
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- 1951, 豊島与志雄, 死因の疑問:
- 休暇の折りには、いろいろな物を買ってきてくれたそうです。
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- 1952, 正岡容, わが寄席青春録:
- 話が前後するが、私の宝塚の彼女は、その三代目小さんを聴いた翌年九月、休暇を取ってはるばる上京してきた。
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- 1955, 小金井喜美子, 鴎外の思い出:
- 家内を迎えるために休暇を取って帰る兄に見せようとせられたのでしょう。
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- 1956, 橘外男, 墓が呼んでいる:
- ジーナとスパセニアと馬を並べて、静かな湖の回りを散歩したり、豪宕な天草灘の怒濤を脚下に見下して、高原の夏草の間を、思う存分に馬を走らせたり……学校はまだ休暇ではないのです。
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- 1960, 原田義人, 年譜:
- 夏季休暇をロツトクで過ごす。
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